シンボルツリー
よく聞くシンボルツリーとは一体どんな木のことを言うのでしょうか?
シンボルツリーとは庭の主役であり、庭全体の印象を決める重要な樹木です。また、その家と家族の歴史を見守り、家族と共に生長して行く、まるで家族の一員のような存在であると庭秀では考えております。
シンボルツリーを選ぶ際にはいくつかポイントがあります。一度植えたら簡単に取り換えるようなことはできません。後悔しないシンボルツリーを選びましょう。
日当たり
樹木には陰樹と陽樹があります。植える場所が日当たりなのか日陰なのか、西日が強く差すようなところは特に注意が必要です。
気候
植える土地は寒冷地なのか暖地なのか。気候に合わない樹木を植えてもその樹木本来の美しさは見られませんし、最悪の場合枯れてしまいます。
大きさ
植えた当初は小さくても生長が早くどんどん大きくなる木や、ゆっくりと時間をかけて生長していく木もあります。また、同じ樹種でも一本立ちよりも株立ちの方が樹高を抑えることができます。
常緑樹と落葉樹
一般的に落葉樹は落ち葉の掃除が大変というイメージがあると思いますが、常緑樹でも古い葉は落ちて新しい葉と入れ替わっていくので全く落ち葉が出ないことはありません。
また、落葉樹のメリットとして夏は爽やかな木陰を作り、冬は暖かい陽光をもたらしてくれます。
四季の移り変わりを間近に感じることができるのも大きな魅力ですね。
おすすめシンボルツリー(常緑樹)
シマトネリコ
シンボルツリーとして断トツの人気を誇るシマトネリコ。
その人気の秘密は常緑樹でありながら軽やかな雰囲気と、とにかく丈夫なところです。
ただし、半常緑樹なので寒冷地では葉が落ちることがあります。八王子の山沿い辺りでも半分ぐらい葉が落ちますが、暖かくなるとどんどん芽吹いてくるので心配ありません。
注意点は生長速度の速さです。ぐんぐん大きくなるので狭い場所に植えるのは向いてません。
ソヨゴ
シマトネリコとは逆に生長速度がゆっくりで管理しやすく、和風洋風どちらにもマッチする万能樹。風で葉がそよぐ様子が「ソヨゴ」という名前の由来です。
秋から冬にかけて綺麗な赤い実を付けるのが特徴ですが、雌雄異株なので実を楽しみたい場合は雌木を植えましょう。
根が浅くやや乾燥に弱いので、強い乾燥には注意が必要です。
ハイノキ
シンボルツリーとして人気急上昇中のハイノキ。木を燃やした時にできる灰が染色の媒染剤になることから「ハイノキ」という名前の由来になったそうです。
シマトネリコやソヨゴと似た軽やかな雰囲気が魅力の常緑樹で、5月ごろ白い繊細な花を沢山咲かせます。
生長はとてもゆっくりなので植える場合はある程度大きくなっている方が好まれますが、まだまだ流通量が少ないため、ご希望に合うものがあるかどうかが一番の問題になります。
オリーブ
銀白色の葉裏が綺麗で洋風の庭によく合うオリーブ。陽樹で日当たりを好み乾燥に強い。
秋にできる実を収穫したい場合には異品種のものを2本植えると実付きが良くなります。
オリーブは生長が早く放っておくと樹形が乱れるので、枝抜き剪定で伸びすぎた枝や細くて弱々しい枝を根元から切り落として樹形を整えます。
ギンヨウアカシア
別名はミモザアカシア。2月末から3月ごろにかけて黄色い鮮やかな花を枝一杯に咲かせる様子がとても見事な木。
ギンヨウアカシアの名の通り、銀色がかった色の葉も特徴的で人気です。
生長速度は非常に早く風などでも倒れやすいので、支柱で支えると同時に定期的な剪定が必要になります。
おすすめシンボルツリー(落葉樹)
ヤマボウシ
株立ちの美しい樹形が人気のヤマボウシ。園芸店などでも色々な品種が流通していて選ぶのが大変なくらいですが、花つきのよい品種としては「ミルキーウェイ」などが人気です。
ヤマボウシは常緑性のものも最近出てきましたが、落葉性の方がおすすめです。
近縁種のハナミズキ同様、樹形が自然と整い手が掛らないところも人気のひとつです。
アオダモ
別名バットの木。野球のバットの素材として使われる木で4~5月頃白い綿の様なふわっとした花を咲かせます。
涼しげな葉っぱや樹形をしており、大きくなると幹に出てくる白い模様も人気の樹木です。
北海道でも自生できるほど寒さに強く、樹形も自然と整うので手の掛らないところも魅力の一つ。
流通量はあまり多くないので形の良いものがあればおすすめです。
シャラ
別名「ナツツバキ」。名前の通りツバキに似た花を夏に咲かせます。葉や花が小さいヒメシャラも人気。
乾燥に弱く、株元に直射日光が当たるようなところでは下草を植えるか敷きワラなどで覆ってあげましょう。西日が強く差す場所も要注意です。
シャラの木は横にあまり広がらずスラっと上に伸びて行くので周りにスペースがない場所にも適しています。
剪定は殆ど必要ないほど樹形は整います。
ハナミズキ
一時期大流行したシンボルツリーの定番ハナミズキ。その元祖は日本がアメリカに桜を贈った返礼品として贈られたものだと言われています。
4~5月頃に赤または白の花を樹一杯に咲かせる姿はまさに花木の王様。生長もゆるやかで剪定の手間も掛らず病害虫にも強くおすすめです。
特徴としてハナミズキは一本立ちがメインで株立ちの物は殆ど流通していません。
エゴノキ
5~6月頃、可憐な白い花を下向きに一杯に咲かせる様子が見事なエゴノキ。ピンクチャイム(アカバナエゴノキ)というピンク色の花を咲かせる品種もあります。
雑木風の自然な樹形が魅力の木なので強い剪定は必要なく、害虫もそれほど心配はありませんがテッポウムシなどを見つけた場合は早めに駆除しましょう。
カツラ
可愛らしいハート形の葉っぱが特徴的なカツラの木。公園などにはよく一本立ちのカツラが植わってますが、シンボルツリーとしてならやはり株立ちの物がおすすめです。
とても丈夫な木なので病害虫の心配はほとんどありませんが、大きくなりすぎる傾向があるので広めのスペースと定期的な剪定が必要になります。
モミジ類
紅葉の美しさでは文句なしのNo.1ですね。和風の庭には必需品のモミジですが、その軽やかな葉っぱや樹形、色鮮やかな紅葉は洋風の家にもとても良く合いますよ。
紅葉も新緑も素晴らしいモミジですが、唯一の難点は害虫が発生しやすいこと。消毒の準備はお忘れなく。